第1回シンポジウムの実施報告と概要
ご挨拶
一般社団法人イノベーションハブの第1回シンポジウムを、5月10日(火)に開催いたしました。現下のコロナ感染状況を鑑み、テレビ朝日の会場とネット配信の併用方式としました。大学、企業、自治体、金融関係者など幅広い分野から多くの参加を得て、有意義なシンポジウムとすることができました。改めて、関係者の皆様に御礼申し上げますとともに、引き続き、皆様方への有益な情報提供、大学と企業の「橋渡し役」を務めて参りますので、ご支援ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
シンポジウムの概要
冒頭、西村前経済再生、新型コロナ担当大臣よりビデオにてご講演いただきました。政府特使として、急遽コスタリカ大統領就任式出席が決定したため、ビデオ出演となりましたが、イノベーションの重要性、男性中心・年功序列をはじめとした昭和のクビキからの脱却、新たな発想を生み出すダイバーシティの推進、理系女子・若手研究者の育成スタートアップ5ヶ年計画の打ち出しなど、日本のイノベーションを促進するために解決すべき課題、求められる政策について、熱のこもったお話と当イノベーションハブへの期待のお言葉をいただきました。
西村 康稔 衆議院議員(自由民主党)
外務大臣政務官、内閣官房副長官、経済再生・新型コロナ対策・TPP・全世代型社会保障担当大臣などを歴任。現在は、自民党選対委員長代行、コロナ対策本部長、経済成長戦略本部座長、清和政策研究会事務総長、衆議院予算委員会理事などを務める
続いて、文科省の義本次官からは、政府としてのイノベーション政策の推進状況、人材育成、スタートアップ企業の育成など重要施策に触れていただき、井上課長から、具体的政策の展開状況と今後の展望、方向性について補足説明をいただきました。
義本 博司 文部科学事務次官
福岡県教育委員会義務教育課長、在フランス日本国大使館一等書記官、初等中等教育局幼児教育課長、文部科学省大臣官房総務課広報室長、厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課長、高等教育局大学振興課長、同局高等教育企画課長、文部科学省大臣官房会計課長、同審議官(初等中等教育局担当)、同審議官(高等教育局担当)などを歴任。2021年より現職を務める
井上 睦子 文部科学省科学技術・学術政策局産業連携・地域振興課長
国立大学法人東京大学総務部企画課長(兼)総長秘書室次長、外務省在ブラジル日本国大使館一等書記官、文部科学省私学助成課長、同省幼児教室教育課長、内閣府政策統括官(科学技術・イノベーション担当)付大学改革担当室参事官などを歴任。2021年より現職を務める
弊社団理事長伊丹からは、
①イノベーションハブの役割は水路づくりであり、大学で生まれたイノベーションの種を企業で開花させるためのハブとなれ
②コロナで萎縮してしまった今こそ日本が飛躍するためにイノベーションが求められる
③一配慮・一手間を強みとする日本の現場と、デジタル・科学技術の融合が日本独自のイノベーションを生み出す
という3つの観点から話をいたしました。
伊丹 敬之 一般社団法人イノベーショ ンハブ理事長、国際大学学長、一橋大学商学部名誉教授
カーネギーメロン大学経営大学院博士課程修了、経営学博士。スタンフォード大学経営大学院客員准教授、一橋大学商学部教授、INSEAD客員教授、ザンクトガレン大学客員教授等を歴任し、日本の経営学界において、日本企業の実証研究を第一世代として行った。東芝取締役、JFEホールディングス監査役、商船三井監査役等も務めた。紫綬褒章受章。日経・経済図書文化賞等受賞。ヴロツワフ経済大学名誉博士
ユーグレナ出雲社長からは、これからの全てのスタートアップの存在意義は、社会課題を解決するために、イノベーションを創出することであると、自らの経験に基づいた熱意溢れるお話をいただきました。特に、大学発のスタートアップのポテンシャル、成功率は非常に高いことをデータに基づいて示され、その上で大学発のスタートアップを増やしていくための具体的な提言。そして、ソーシャルネイティブ・デジタルネイティブという二つの特徴を持つミレニアル・Z世代が労働人口全体の5割を超える2025年には、サステナブル資本主義が加速し、世の中が変わっていくことが大いに期待できるとのお話をいただきました。
出雲 充 株式会社ユーグレナ 代表取締役社長
世界初の微細藻ミドリムシ(学 名:ユーグレナ)食用屋外大量培養に成功。 世界経済フォーラム(ダボス会議)ヤンググローバルリーダー、第一回日本ベンチャー大賞 「内閣総理大臣賞」、第五回ジャパン SDGs アワード「SDGs 推進本部長(内閣総理大臣) 賞」受賞。 著書に『僕はミドリムシで世界を救うことに決めた。』(小学館新書)『サステナブルビジネ ス』(PHP 研究所) 経団連審議員会副議長、内閣官房知的財産戦略本部員、経産省 SDGs 経営/ESG 投資研究会 委員、ビル&メリンダ・ゲイツ財団 SDGs Goalkeeper
大学の実例紹介としては、山梨大学の島田学長から、コロナ対応への大学の知見の活用、ウクライナの大学、大学生への協力など、大学としての実社会への貢献姿勢について、神戸大の長廣教授からは、コロナウイルスフリー、消費電力の6割削減を可能にするAIスマート空調の、関空、羽田空港、三越伊勢丹百貨店などへの社会実装を行うビジネスモデルがイノベーションハブの第一号ベンチャー企業となったことについてお話がありました。
島田 眞路 山梨大学 学長
山梨医科大学助教授・教授、東大医学部助教授、山梨大学医学部教授、同附属病院長などを歴任し、2015年春より現職。
長廣 剛 神戸大学産学連携本部 超スマート社会推進室特命教授
大阪市立大学大学院工学研究科特任教授、咲洲・アジアスマートコミュニティ協議会 会長などを歴任。
以上のように、イノベーションハブの第1回シンポジウムは、講演者の皆様より知見を豊富にご紹介いただくことができ、日本にイノベーションを起こそうと考えていく上でのヒントが詰まった素晴らしい会となりました。改めて関係者の皆様にお礼申し上げます。
当日のシンポジウムの模様は、以下のサイトでご覧いただけます。
シンポジウムの内容に関するご質問、大学や技術の紹介、入会の詳細などは、以下の問い合わせフォームよりご連絡ください。